カラオケのAKB、家電量販店のPerfume

と題して、今日は僕のこれまでの実体験から見た双方の立ち位置・音楽性の違いを論じてゆこうと思います。

この前、部活の新歓があり、夜7時始まりの三次会経ての明け方6時解散という、なんともハードなひと時を過ごしたわけであります(大学生はこれがフツーらしいが)。
1次会、2次会は皆でワイワイガヤガヤ酒池肉林を楽しんだわけです(いや、酒池ではあったが、肉林ではなかったw)。
その後の3次会はカラオケに移って朝まで歌い明かそうという流れです。

カラオケに突入すると、急に部屋割りが行われました。
「アニソン部屋」と「AKB部屋」と普通(その他)の部屋。
「アニソン部屋」はアニソンを歌いたくてしょうがない、他の音楽には目もくれない二次元の猛者たちが集まります。
「AKB部屋」はAKBを愛してやまない暑苦しいヲタ・・・猛者たちが集まります。
普通の部屋は、普通の部屋です。いわゆる、少数民族の寄せ集めみたいなものですから、部屋には終始何とも言えない暗い?ぎこちない空気が漂っています。

僕は、AKBも人並み(人並よりちょっと上くらい)に知っているので、「AKB部屋」に行こうかと思いましたが、あまりにヲタ・・・、猛者たちのレベルがパないので、黙って普通の部屋へ。。

歌っていると終始隣の部屋からAKB猛者どもの愛の叫びが鳴り響いてくる。
コール&レスポンス、とでもいうのだろうか、ああいうヲタ芸まで全力でこなしている。
終いには、僕たちの部屋に乱入してAKBの楽曲を見せつける・・・。
あっけにとられている僕たちの冷たい視線をよそともしないで歌い、踊り狂うAKB猛者たち。
歌い終わると何事もなかったように嵐のように去っていく(笑)

いや、楽しそうだ。
正直、彼らがうらやましくてしょうがなかった。
同じ音楽を共有し合って、一緒に歌い、踊り狂う。
簡単そうに見えるが、これ意外と、というかかなり難しいことだと思う。

僕だって、「Perfume部屋」いうものあれば、飛び込んでいったと思う。
しかし、悲しいかな、Perfume部屋はおろか、Perfume好きな人にも巡り会えない事実。

Perfumeファンなら誰しもこういう経験あると思う。
歌いたいのに同じファンが見つからない。
むしろカラオケでPerfumeを歌おうものなら、周りから批判が飛んできそうで怖い。
Perfume好きにはカラオケはお門違いであって、行くべきではないのだ。
そもそも、Perfumeの楽曲は歌うのにはどうも適さない。
あれは聴く音楽だ。

それに対し、AKBはカラオケにめっぽう強い。
カラオケに行けば必ずAKBの曲が入るし、カラオケに行く人には必ず一人はAKB好きな人がいるものだ。
今回のように「AKB部屋」が組まれることも頻繁にあるだろうし、そこでは皆楽しそうに盛り上がっている。

時代の流れがPerfumeではなくAKBにあるからだろう、という意見もあるだろう。
しかし、それはないと思う。
僕から見れば、正直PerfumeもAKBもとっくにそのピークは過ぎている。
双方とも、「さて、この人気がいつまで持つか」という段階まで来ているのは確かなはず。

つまり、カラオケでAKBの人気があるのは、とても歌いやすい楽曲だからだ。
しかも、皆で歌う、いわば合唱曲みたいなものばかりなのだ。
AKBは聴く音楽というよりも、歌う音楽であって、その性質ゆえに最初からカラオケに向いているのだろう。
AKBはメンバーが大勢いることを考えても、やはりカラオケなどでその楽曲の楽しさを皆で共有しやすいようになっているのだろう。


さて、カラオケでは苦汁を飲んで、無難なJ‐POPソングしか歌えない(歌わせてもらえない)Perfumeファンであるが、そんなPerfumeファンが誇らしげな気持ちになれる場所がある。

家電量販店だ。   (←おい、そこのお前、今笑っただろ?)

これも実体験、しかも一度ではなく何度も。
大手家電量販店に行くとテレビ売場でほとんどの確率で(8割くらい)Perfumeの映像が流されているのだ。
秋葉の某家電量販店では、豪快に何台ものテレビを使ってPerfumeのライヴ映像を流していた。
そのライヴ映像というのが代々木Disco!Disco!Disco!の映像だったのでさらに笑ってしまう。
秋葉の別の店では、GAMEのライヴ映像を流していた。
最近行った仙台の大手家電量販店にも、Perfumeの映像が使われていた。
「VOICE」と「ねぇ」のPVだった。

これだけ頻繁にPerfumeの楽曲が使われているので、Perfumeファンは家電量販店に行くともの凄く落ち着くのだ。
それと同時にテレビ売場に行くと必要以上に興奮するのだ。
そばに知り合いがいると「お前、鼻の上に汗かいてるぞ」と言われることもしばしば(笑)
テレビ売場のそばで挙動不審な行動をとっている人がいたら、そいつは恐らくPerfumeファンでしょう。

だが、AKBの映像が使われているのはあまり目にしない。
いや、使われているとしても、恐らくPerfumeよりは頻度が少ないだろう。

なぜか。
AKBはその人数の多さゆえ、なかなかダンスを統一するのが難しい。
どうしてもゴチャゴチャし、不揃いな印象を受けてしまう。

対してPerfumeは少数のため、ダンスを統一しやすく、シンクロ率も高いと定評がある。
また、PerfumeにはTeam‐Perfumeいうものがあり、音響や照明、演出など細部にも高い技術が用いられている(そのためPerfumeはしばしば総合芸術と評される)。
つまり、とてもテレビ映りがよいのである。
電子音楽寄りの楽曲も家電量販店に向いてるだろう。


さて、以上の事から、AKBは能動的な音楽、Perfumeは受動的な音楽と結論できますよね?
AKBは聴き手が自ら歌うことでその楽しさを共有する音楽。
Perfumeはその音楽や演出を見聴きすることで楽しみを共有する音楽。
どちらかというとAKBの音楽のほうが我々日本人にとっては身近なのかもしれない。
まぁ、僕は何分音痴でカラオケとか苦手なので、Perfume的な楽しみ方がやはり自分に合ってるのかな。

音楽的な違いとかはいくらでも議論できるけど、「AKBとPerfume、どちらがいいか」といったような低次元な話はしたくはないし、結局それぞれの好みの問題になるから議論するだけ無意味。

僕が言いたかったのは、AKBとPerfumeはそれぞれ違う(対照的な)楽しみ方を持っていて、どちらにもその魅力を発揮する場所がある、ということ。

AKBもPerfumeも末永く続けてほしね。

コメント

  1. 京都の猛者2011年6月13日 22:07

    肯定的じゃなくて能動的じゃね?

    返信削除
  2. 京都の猛者さん、ご指摘ありがとうございます。
    確かに言われてみれば、能動的のほうがしっくりくる表現です。
    編集で直しておきましたんで。

    返信削除

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