Perfumeの6thアルバム『Cosmic Explorer』を聴いた感想
先日,Perfumeの新アルバム『Cosmic Explorer』がリリースされた.待ちに待ったアルバムである.一通り聴いてみて出てきた感想は,「最高」というものだった.Perfume史上最高にポップなアルバム『GAME』に匹敵するアルバムがようやく出てきたか,と思った.しかし,周りのPerfumeファンの反応を見ていると,ほとんどが高評価をしているものの,なかにはイマイチだと思っている人もいるようだ.わかりきったことだが,完全に万人受けする作品というのは有り得ない.ということで,イマイチだと思っている人に少しでもこのアルバムの魅力を伝えられるよう個人的なレビューを書いていこうと思う.
- Navigate
まずアルバムは「Navigate」で幕を開ける.歌詞なしの,ひたすらピコピコしているだけの曲だが,なんとなく荘厳さも醸し出していて「これから大気圏を脱出しようとしている」感があって良い.曲が終わると,次の曲までの間,数秒間の沈黙がある.この張り詰めた時間がとても良い.
- Cosmic Explorer
そして爆発したかのように次の曲「Cosmic Explorer」が壮大に始まる.今までのPerfumeにはなかった曲だ.わかりやすい曲で,曲名の通り,聴いていると頭の中に広大な宇宙の光景が浮かび上がる.この感じ,なんだろう,Team Meの「Riding My Bicycle」に似ている.というか,アルバム『Cosmic Explorer』の持つ世界観は,Team Meのアルバム『To The Treetops!』のそれに似ていると思う.04:00周辺で3人が「ウーウウーウウーウウーウウー」と歌うところが好み.
- Miracle Worker
前の曲に引き続き,この曲も基本的にウーウーウーウー歌うもの.「What should I do」という歌詞が印象的.このフレーズだけ聴くとcapsuleの「What do you want to do」を思い出してしまう.「Miracle Worker」はなかなかのスルメ曲だと認識した.間奏がとにかく良い.私は「透明人間」の間奏がかなり好きなのだが,あれに似ている.ライヴで演ったら盛り上がりそう.
- Next Stage with YOU
メルセデスベンツのCMでおなじみの曲.CMの尺で聴いた時はパッとしなかったが,一曲通して聞いてみると印象がガラッと変わった.近未来を感じさせる明るい曲であるので,リニア・シティ・エレワの3曲に加えて”近未来4部作”としても良さそうだが,前3曲が割と切なめの曲であるのに対して,この曲は飛び抜けて明るいので合わないかもしれない.アルバムのイメージによく合っていて私のお気に入りの曲の一つだ.ところでこの曲名の「YOU」はなぜ大文字なのだろうか?タレントのYOUを想像してしまうぞ…
- STORY
SXSWで世界中に生配信された時の曲ということもあり,アルバム初収録曲の中でも存在感と認知度がずば抜けている.この曲を聴いているとあの映像が脳内再生される.SXSWの生配信動画で初めて観た時,かなり感動したが,ぐるんぐるん武道館公演で生で観た時もやはり感動した.緊張感のある曲なので聴いているとつい背筋を正してしまう.数字を読み上げるところはKraftwerkの「Numbers」を彷彿させる無機質な感じなのだが,だからこそ04:00からの歌詞が入るところは人間臭さが前面に出て非常にエモい.良い.
- FLASH (Album-mix)
アルバム初収録曲なのに本編にAlbum-mixかましてくるあたりクレイジー.最初の「ピッ」というスイッチ音がいい.そこからじわ〜っと緩やかに盛り上がってくる感じが心地よい.しかし個人的にはAlbum-mixよりもオリジナルver.の方が断然好き.やっぱり「FLASH」という曲名だからにはスピード感というか一瞬の緊張感というものが感じられないといけないと思うのだが,このAlbum-mixはゆるゆるで弛緩しまくりなのだ.少し残念.
- Sweet Refrain (Album-mix)
思えばアルバムの最初からこの曲に至るまでの6曲はアルバム初収録曲だったのだ.つまり,ずっと緊張しっぱなし.初めて乗っかったロケットで広大な宇宙の中,目的地をひたすら探していたのだ.少々疲れが見え始めたそんな時,優しい音で鳴り始めるのがこの曲だ.何だこの安心感は….母の温もりのようなものさえ感じて気のせいか涙腺も緩んでくる….Perfumeの過去のシングル曲の中ではだいぶ(私にとって)存在感が薄い曲なのだが,このアルバムの中ではきらきら輝く曲へと変貌した.
- Baby Face
ずいぶん可愛らしい曲だこと.今までのPerfumeにはなかった音だ.クラップしたくなる.あんまりピンとこないが,これから聴きこむことで評価がガラッと変わりそうな気もしなくもない(つまりポテンシャルは感じる)曲.
- TOKIMEKI LIGHTS (Album-mix)
「Next 〜」と同じで,飛び抜けて明るい近未来ソングで,春に聴くのもぴったりな曲.「銀河」や「星屑」というワードも出てくるあたり,アルバムのコンセプトにもぴったり合致している.メロディは「未来のミュージアム」っぽくもあり,小さい子にも好まれそう.「ずっと流れない時の中でこんな世界に囲まれたいけど いつか失ってしまうのがこわいものほど美しいきっと」という歌詞にハッとする.
- STAR TRAIN (Album-mix)
イントロの太鼓が和を感じさせてカッコいい.基本的にウォーウォー言ってる曲.というか,このアルバムにはウーウーウォーウォー歌う曲が多すぎる気が….まぁ,ウーウーウォーウォー歌ってればとりあえず壮大な感じに聴こえるからね.正直なところ,シングルリリース時からこの曲はさほど好きではない.曲名が「STAR TRAIN」なのに曲の内容(伝えたいこと)から宇宙要素が微塵も感じられないから.
- Relax In The City
シングルリリース時から大好きな曲.この曲は「都会の中のオアシス」のような役割の曲なので,アップテンポな曲の合間に入れるとこの曲の効果を最大限引き出せると個人的には思っている.だから「STAR TRAIN」のようなスローテンポな曲の後にこの曲を入れてしまったのは残念だ.音数少な目のゆったりした曲だが,テンポ良いキックドラムが程よい緊張感を与えていて心地よい.
- Pick Me Up
シングルリリース時からあまり好きになれない曲(こうして書いていると,意外とPerfumeに好きではない曲が見つかって驚いている).「Relax 〜」と両A面シングルとしてリリースされた曲だが,私は断然「Relax 〜」が好きだった.その後,マスメディアでは「Relax 〜」よりもこの曲の方がやたらプッシュされており,なんだかなぁという気持ちだった.思い出とともに次第に好きになっていくだろうと思っていたが,今現在あまり気持ちに変化はない.
- Cling Cling (Album-mix)
素晴らしい(拍手).変態的(拍手).このアルバムの中でいちばんインパクトのある曲で,この曲を聴くためだけにアルバムを通しで聴いても良いと思えてしまう.「Cling Cling」は,曲は勿論,MVの世界観や振り付け,衣装など全てが素晴らしく,シングルリリース時からお気に入りの曲だった.が,このAlbum-mixで見事な変化を遂げ,より一層好きになった.Aメロ前の間奏が(いい意味で)気持ち悪くてよろしい.サビ中ずっと鳴っている金属音が耳に心地よい.
- Hold Your Hand
人間臭すぎてあまり好きではなかった曲(またか…)だが,アルバムの最後に聴くと,なんだろう,ホッとする.家に帰ってきた,そんな感じの気持ちになるのだ.嗚呼,宇宙を旅していたPerfumeが,無事私たちの場所に戻ってきた,って.
以上です.アルバムの魅力を伝えるつもりが,結構曲の批判をしてしまい,むしろ逆効果になりそうなレビューを書いてしまった….しかし,本当によくできたアルバムだと思うし,最初から「STAR TRAIN」までを切り取れば立派なコンセプトアルバムだ.Perfume版『Sgt. Pepper’s』と言っても良い.何回アルバムを聴いても飽きないし,一通りアルバムを聴き終わったらすぐにまた最初から通しで聴きたくなる.そんな気持ちにさせるアルバムはPerfumeではやはり『GAME』以来これが初めてだった.さて,気になるのはアルバム初収録曲がライヴでどう調理されるかだ.ツアーを楽しみに待とうじゃないか.
どうでもいい追記1.
どうでもいいが,「FLASH」のMVで後半「GAME」さながらライトセーバーが登場したのは笑ってしまった.やはりアルバム『GAME』を意識しているのか,はたまた,宇宙つながりでこのまえ新作も公開されたSTAR W○RSを意識したのか.
どうでもいい追記2.
どうでもいいが,Perfumeの3人が「cosmic」を思いっきり「こずみっく」と発音しているのが気になって仕方ない.この心境は,宮城弁で言うなれば”いづい”.「かずみっく」の方が英語での発音に近い.英語で表記している以上,発音するときは英語の発音に近づけてほしい,というのが私の思いだ.
- Navigate
まずアルバムは「Navigate」で幕を開ける.歌詞なしの,ひたすらピコピコしているだけの曲だが,なんとなく荘厳さも醸し出していて「これから大気圏を脱出しようとしている」感があって良い.曲が終わると,次の曲までの間,数秒間の沈黙がある.この張り詰めた時間がとても良い.
- Cosmic Explorer
そして爆発したかのように次の曲「Cosmic Explorer」が壮大に始まる.今までのPerfumeにはなかった曲だ.わかりやすい曲で,曲名の通り,聴いていると頭の中に広大な宇宙の光景が浮かび上がる.この感じ,なんだろう,Team Meの「Riding My Bicycle」に似ている.というか,アルバム『Cosmic Explorer』の持つ世界観は,Team Meのアルバム『To The Treetops!』のそれに似ていると思う.04:00周辺で3人が「ウーウウーウウーウウーウウー」と歌うところが好み.
- Miracle Worker
前の曲に引き続き,この曲も基本的にウーウーウーウー歌うもの.「What should I do」という歌詞が印象的.このフレーズだけ聴くとcapsuleの「What do you want to do」を思い出してしまう.「Miracle Worker」はなかなかのスルメ曲だと認識した.間奏がとにかく良い.私は「透明人間」の間奏がかなり好きなのだが,あれに似ている.ライヴで演ったら盛り上がりそう.
- Next Stage with YOU
メルセデスベンツのCMでおなじみの曲.CMの尺で聴いた時はパッとしなかったが,一曲通して聞いてみると印象がガラッと変わった.近未来を感じさせる明るい曲であるので,リニア・シティ・エレワの3曲に加えて”近未来4部作”としても良さそうだが,前3曲が割と切なめの曲であるのに対して,この曲は飛び抜けて明るいので合わないかもしれない.アルバムのイメージによく合っていて私のお気に入りの曲の一つだ.ところでこの曲名の「YOU」はなぜ大文字なのだろうか?タレントのYOUを想像してしまうぞ…
- STORY
SXSWで世界中に生配信された時の曲ということもあり,アルバム初収録曲の中でも存在感と認知度がずば抜けている.この曲を聴いているとあの映像が脳内再生される.SXSWの生配信動画で初めて観た時,かなり感動したが,ぐるんぐるん武道館公演で生で観た時もやはり感動した.緊張感のある曲なので聴いているとつい背筋を正してしまう.数字を読み上げるところはKraftwerkの「Numbers」を彷彿させる無機質な感じなのだが,だからこそ04:00からの歌詞が入るところは人間臭さが前面に出て非常にエモい.良い.
- FLASH (Album-mix)
アルバム初収録曲なのに本編にAlbum-mixかましてくるあたりクレイジー.最初の「ピッ」というスイッチ音がいい.そこからじわ〜っと緩やかに盛り上がってくる感じが心地よい.しかし個人的にはAlbum-mixよりもオリジナルver.の方が断然好き.やっぱり「FLASH」という曲名だからにはスピード感というか一瞬の緊張感というものが感じられないといけないと思うのだが,このAlbum-mixはゆるゆるで弛緩しまくりなのだ.少し残念.
- Sweet Refrain (Album-mix)
思えばアルバムの最初からこの曲に至るまでの6曲はアルバム初収録曲だったのだ.つまり,ずっと緊張しっぱなし.初めて乗っかったロケットで広大な宇宙の中,目的地をひたすら探していたのだ.少々疲れが見え始めたそんな時,優しい音で鳴り始めるのがこの曲だ.何だこの安心感は….母の温もりのようなものさえ感じて気のせいか涙腺も緩んでくる….Perfumeの過去のシングル曲の中ではだいぶ(私にとって)存在感が薄い曲なのだが,このアルバムの中ではきらきら輝く曲へと変貌した.
- Baby Face
ずいぶん可愛らしい曲だこと.今までのPerfumeにはなかった音だ.クラップしたくなる.あんまりピンとこないが,これから聴きこむことで評価がガラッと変わりそうな気もしなくもない(つまりポテンシャルは感じる)曲.
- TOKIMEKI LIGHTS (Album-mix)
「Next 〜」と同じで,飛び抜けて明るい近未来ソングで,春に聴くのもぴったりな曲.「銀河」や「星屑」というワードも出てくるあたり,アルバムのコンセプトにもぴったり合致している.メロディは「未来のミュージアム」っぽくもあり,小さい子にも好まれそう.「ずっと流れない時の中でこんな世界に囲まれたいけど いつか失ってしまうのがこわいものほど美しいきっと」という歌詞にハッとする.
- STAR TRAIN (Album-mix)
イントロの太鼓が和を感じさせてカッコいい.基本的にウォーウォー言ってる曲.というか,このアルバムにはウーウーウォーウォー歌う曲が多すぎる気が….まぁ,ウーウーウォーウォー歌ってればとりあえず壮大な感じに聴こえるからね.正直なところ,シングルリリース時からこの曲はさほど好きではない.曲名が「STAR TRAIN」なのに曲の内容(伝えたいこと)から宇宙要素が微塵も感じられないから.
- Relax In The City
シングルリリース時から大好きな曲.この曲は「都会の中のオアシス」のような役割の曲なので,アップテンポな曲の合間に入れるとこの曲の効果を最大限引き出せると個人的には思っている.だから「STAR TRAIN」のようなスローテンポな曲の後にこの曲を入れてしまったのは残念だ.音数少な目のゆったりした曲だが,テンポ良いキックドラムが程よい緊張感を与えていて心地よい.
- Pick Me Up
シングルリリース時からあまり好きになれない曲(こうして書いていると,意外とPerfumeに好きではない曲が見つかって驚いている).「Relax 〜」と両A面シングルとしてリリースされた曲だが,私は断然「Relax 〜」が好きだった.その後,マスメディアでは「Relax 〜」よりもこの曲の方がやたらプッシュされており,なんだかなぁという気持ちだった.思い出とともに次第に好きになっていくだろうと思っていたが,今現在あまり気持ちに変化はない.
- Cling Cling (Album-mix)
素晴らしい(拍手).変態的(拍手).このアルバムの中でいちばんインパクトのある曲で,この曲を聴くためだけにアルバムを通しで聴いても良いと思えてしまう.「Cling Cling」は,曲は勿論,MVの世界観や振り付け,衣装など全てが素晴らしく,シングルリリース時からお気に入りの曲だった.が,このAlbum-mixで見事な変化を遂げ,より一層好きになった.Aメロ前の間奏が(いい意味で)気持ち悪くてよろしい.サビ中ずっと鳴っている金属音が耳に心地よい.
- Hold Your Hand
人間臭すぎてあまり好きではなかった曲(またか…)だが,アルバムの最後に聴くと,なんだろう,ホッとする.家に帰ってきた,そんな感じの気持ちになるのだ.嗚呼,宇宙を旅していたPerfumeが,無事私たちの場所に戻ってきた,って.
以上です.アルバムの魅力を伝えるつもりが,結構曲の批判をしてしまい,むしろ逆効果になりそうなレビューを書いてしまった….しかし,本当によくできたアルバムだと思うし,最初から「STAR TRAIN」までを切り取れば立派なコンセプトアルバムだ.Perfume版『Sgt. Pepper’s』と言っても良い.何回アルバムを聴いても飽きないし,一通りアルバムを聴き終わったらすぐにまた最初から通しで聴きたくなる.そんな気持ちにさせるアルバムはPerfumeではやはり『GAME』以来これが初めてだった.さて,気になるのはアルバム初収録曲がライヴでどう調理されるかだ.ツアーを楽しみに待とうじゃないか.
どうでもいい追記1.
どうでもいいが,「FLASH」のMVで後半「GAME」さながらライトセーバーが登場したのは笑ってしまった.やはりアルバム『GAME』を意識しているのか,はたまた,宇宙つながりでこのまえ新作も公開されたSTAR W○RSを意識したのか.
どうでもいい追記2.
どうでもいいが,Perfumeの3人が「cosmic」を思いっきり「こずみっく」と発音しているのが気になって仕方ない.この心境は,宮城弁で言うなれば”いづい”.「かずみっく」の方が英語での発音に近い.英語で表記している以上,発音するときは英語の発音に近づけてほしい,というのが私の思いだ.
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